はぎの通信 No.2(新年 切り替えのとき)
はぎの通信 No.2 (R5、1.5)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
新年 切り替えのとき(What’s your New year’s resolutions?)
新しい年が明けました。今年もよろしくお願いいたします。
とは言え、お正月気分も長くは続きません。また日常の学校生活が始まります。特に3年生の皆さんの中には、1月14日(土)と15日(日)の大学入学共通テストを控え、やや緊張の日々を送っている人もいるかもしれません。おそらくお正月気分どころの話ではなかったことでしょう。さあ、いよいよ本番です。体調管理をしっかりして、万全の態勢で臨んでください。試験終了のチャイムが鳴るまで決してあきらめないこと。あきらめたときが「試合終了」なのですから。3年生の皆さん、ぜひ平常心で全力を尽くし、頑張ってください。心から健闘を祈っています。
そして、1,2年生の皆さん。新しい年が明けました。今年は何に頑張りますか。目標は立てましたか。気分の切り替えは大丈夫でしょうか。
ところで,「切り替え」というのは本当に大変だな,といつも思います。特に,遊びから真面目な仕事や勉強に,リラックスした休息から緊張した活動へ,というような場合の切り替えは非常に大切だと思います。ところがそのような場合は,遊びや休息への執着,つまり,もっと遊んでいたいとかもっと休んでいたいといった気持ちが強いために,なかなかその気分を断ち切れないから難しい。アメリカの工場での調査によると,月曜日は最も作業効率の落ちる日だといいます。
しかし,この難しい切り替えが素早くできるかどうかで,長い期間には大きな違いが出てくるのです。すぐ切り替えができなければ,スタートダッシュに遅れます。一度の遅れなら追いつけるかもしれませんが,給水所のたびにスタートに遅れていては,取り返しのつかない差になります。
私の尊敬する知人に,非常に頭の切り替えが速い人がいます。目の前のなすべき対象が急に変わっても即座に状況を把握して対処する。「なにぶん不慣れで...」とか「急なことなので...」などと言い訳は一切しない。瞬時に全速力で走り出す。これをひとつの才能と呼ぶのは簡単でしょうが,彼によると,それはひとえに訓練の賜物なのだそうです。「頭の中の引出しを開け放しにしない」で,「次の引出しを開けなければならないときには,(その引出しは)しっかりと閉めておく」のだそうです。開けっ放しにしておくと錆び付いてもう閉められなくなる,と言います。そして,今やるべきことに対して,新しい引出しを全開にして臨む練習を繰り返すことにより,開け閉めに要する時間は徐々に短くなり,副産物として,頭の引出しがすっきり整理されていくのだと教えられました。
これから過ごす日々は年度の締めくくりであると同時に,進級や卒業への助走でもあります。今,この時から全速力で走り始められるように,冬休みから開けっ放しになっている引出しをしっかり閉めましょう。そして,精神を集中して,今開けるべき引出しに切り替えようではありませんか。つらくても,ゆるんだ気持ちに甘えることなく,自分を奮い立たせなければなりません。
今日の一言
人間は,なんと知ること早く,行うことの遅い生き物だろう。
(ゲーテ)
人生の大きな目的は知識ではなく,行動である。
(T.H.ハウスレイ)
以上