はぎの通信 No.10(「ブスの25箇条」)
はぎの通信 No.10 (R5. 3.16)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
「ブスの25箇条」(The 25 Ugly Articles)
兵庫県宝塚市に本拠地を置く、あの有名な宝塚歌劇団。初公演は1914年という歴史のある歌劇団であり、女性だけで構成されていて、歌と踊りを中心とする演劇で今日も人気を集めています。花組・月組・雪組・星組・宙(そら)組の5組の名前を聞けば、「ああ、あの歌劇団」と思い出す皆さんも多いのではないでしょうか。その宝塚歌劇団に入るためには宝塚音楽学校に入学しなければならず、その狭き門にチャレンジする女性たちの様子などが、ときにニュースになったり、ドキュメンタリーフィルムになって放映されたりしています。
さて、その宝塚歌劇団には「伝説の教え」として「ブスの25箇条」というものがあるそうで、私もインターネットで検索して、その内容を知ることができました。皆さんもぜひ検索してみてください。私たちが日ごろ生活していく上での「戒め」となることばが、短い日本語で的確に表現されています。たとえば、...
第11条 自分が最も正しいと信じ込んでいる
第15条 いつも周囲が悪いと思っている
第20条 人のアドバイスや忠告を受け入れない
などなど。そして、私が最も考えさせられたものは、
第21条 なんでもないことにキズつく
というものです。特にここ数年、最近になってこのような人が増えてきているような気がします。人が人と関わっていく以上、心を傷つけたり傷つけられたりすることはよくあります。もちろん、「いじめ」などは論外です。許されるものではありません。この点は誤解なきようにお願いします。私が言いたいのは、「なんでもないこと」とその人がそう感じられるのなら、いちいちそれに悩んだり、キズつく必要はないということです。そして、あることを「なんでもないこと」と捉えられるかどうかは、その人次第であるということです。ここに人間同士のコミュニケーションの難しさがあります。そのコミュニケーションの難しさをある意味超えていけるかどうかが、その人の「生きやすさ」や「生きづらさ」を決めていくのかもしれません。
以上