はぎの通信 No.12(小さな幸せ)
はぎの通信 No.12 (R5. 3.29)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
「小さな幸せ」(Little Happiness)
先日、休日のある日、友人である某高等学校の校長と電話で話をしていて、「ところで、最近走っている?」という話になりました。彼も私もランニングが趣味で、お互いの家も比較的近いせいもあって、外をランニングしているとたまに「よお!」という感じで、偶然出会ったりもしています。彼は、私よりも若く、ランニング歴も長いベテランで、休みが取れると全国のあちこちの市民ランナー向けの大会に出場して、日本国中を走り回っているような人です。一方、私はそのような大会にエントリーをしたこともなく、ただひたすらにストイックに毎日ガツガツとかなり自分を追い込みながら走っている、妻に言わせるともう「病気の」オヤジです。
その電話で、最近走っているかという話になり、私は今年は花粉症がひどくて外では走れず、街の体育館のランニングコースで走ったり、トレーニングルームでランニングマシーンを使ったり、バイクをこいだりしていると伝えると、彼はしっかり外を走っていて、「この前は蓬平温泉まで走った」とのこと。彼の自宅からは往復で20kmは超えるそう。ほぼハーフマラソンの距離に匹敵します。しかも、行きは山へ向かっての登り坂。帰りは当然下り坂の連続。「たいしたもんだねえ!すごいなあ!」と言うと、「いやいや、そうでもないよ。それより、とっても気持ちがよくってさぁ。小川のせせらぎ。小鳥たちのさえずり。名前の知らないきれいな小さな花のつぼみが目に入ってきたりして... 走っている時の風も爽やかで気持ちよかった!」と彼。「わかる!わかる!」と私。花粉症がひどくない年は、私も今頃の時期はもっぱら外を走っていますから。
改めて感じました。ちっぽけかもしれないけれど、「幸せ」は日常のどこにでもころがっていると。また、それを感じ取れる自分を自分で感じたときに、その幸せが本当に心に沁みる様に広がっていきます。
毎日いろいろあって、忙しくて、悩んだり迷ったりして時間が過ぎていって、体も心も疲れてしまって...ほんと、そうですよね。でも、皆さんも、皆さんならではの感じ取れる「小さな幸せ」を探してみてはいかがでしょうか。きっとありますよ。すぐ身近に。
以上