はぎの通信 No.42(正しい姿勢で歩く)
はぎの通信 No.42 (R5. 9.19)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
正しい姿勢で歩く(Walking and Living “Straight”)
先日、久しぶりに(?)私の妻と一緒に通りを歩いていたら、彼女から「あなた、姿勢が悪いわよ。いつもそんな姿勢で歩いているの?」と言われました。私はそんなことを言われてとてもびっくりしました。自分としては、ただ「ふつうに」歩いているつもりだったからです。
どのように姿勢が悪いのか、私は妻に尋ねました。「下ばっかり向いて、背中が曲がっている。胸を張って歩いていない。顎を前に突き出したような格好で歩いている。」というのが彼女の返答。それでは、ということで、今度は意識的に十分注意して、胸を張り、顎を引いてしっかり前を見て歩いてみました。ところが、自分でどんなに気をつけて姿勢を正しているつもりでも、妻に言わせると「まだまだぜんぜんダメ」だそうで、私としては少なからぬショックを抱いたのでした。
もうかれこれ60年以上も「歩く」という動作を行ってきたはずです。その中で、知らず知らずの間にもうすっかりと骨の髄まで染み込んでしまった私なりの歩く「クセ」というものがあるのでしょう。そして、そのようにして染み込んでしまった「クセ」はちょっとやそっとの努力ではもはや修復不可能なのかもしれません。
猫背でいつも下を見て歩いているということは、何だか、今までの人生、いつも下ばかり見て歩んできたようで、自分でもあまりいい気持ちはしません。「自分の人生はそんなもんじゃない!」と心で叫び、抗いながら、何とかよい姿勢で歩こうと「練習」している今日この頃です。
姿勢は心を形作ると思います。形が中身を作るのです。まずは「正しい姿勢」を保つこと。生きていく上での、比喩的な意味として、改めて胸に刻んでいるところです。
以上