はぎの通信 No.47(失敗したら自分の手で回復せよ)
はぎの通信 No.47 (R5. 10.23)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
失敗したら自分の手で回復せよ(Have you got a sense of responsibility?)
人から借りた大切なものをうっかりして壊してしまったらどうするでしょう。謝るだけではあまりに申し訳ないから、同じ物を買って返すのがふつうであり、そうしてはじめて貸してくれた相手の好意に報いることができる、と考えるのではないでしょうか。そうしなければ、許してもらえたとしても、相手の信頼を大きく失うことになるでしょう。あるいは、お客があるのをうっかり忘れてしまって外出してしまったらどうしますか。せっかく訪ねて来てくれた人に対してすまないという気持ちから、せめてもの埋め合わせとして、今度はその人の都合のよい日にこちらから訪問しなくてはならないでしょう。
失敗をしたら、必ずそれに伴う損失があることを、まず覚えておかなくてはなりません。たとえば、朝、学校に遅刻したら、先生に注意されるだけでなく、大切な連絡を聞き逃します。さらに大きな損失は、クラスの仲間から「時間を守れない人」と信頼を失うことになっていきます。勉強をしなければ、先生にしかられるだけでなく、その授業がわからず、大事な内容も頭に定着しません。そして、定期試験で必要な点数を取れないという大きな損をします。まして、欠席したり早退したりして授業などを受けない場合は、もっとひどい損失となります。
誰にも間違いや失敗はあります。注意していてもうっかりすることもあります。しかし、失敗をしたら、それを最大限の努力をして取り戻そうとする姿勢を示すことが必要なのです。そうすることによって損失が最小限になり、相手がいる場合には誠意によって信頼を回復できるのです。
皆さんは、間違いや失敗をした時、それを挽回する努力をしているでしょうか?自分の失敗は自分で取り戻す。―― 失敗を乗り越えそこから学ばない限り、成功も自己実現もないのです。
今日のひとこと
失敗のうちで
最大のものは
失敗を何一つ
自覚しないことである。
(トーマス・カーライル)
以上