はぎの通信 No.78(「平和」を考える)
はぎの通信 No.78 (R6. 6.3)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
「平和」を考える(Thinking about “peace”)
先日、5月25日(土)に、アオーレ長岡で高校生による英語スピーチコンテストが行われ、今年も審査委員長として参加してきました。
スピーチのテーマは、「私が考える平和とは」。皆さんとても素晴らしいスピーチで、心がふるえました。
ところで、哲学者ニーチェの『善悪の彼岸』という著書の中に、次のような言葉があります。
「狂気は個人にあっては稀有(けう)なことである。しかし、集団・党派・民族・時代にあっては通例である。」(狂気:気が狂っていること。稀有(けう):とても珍しいこと、まれなこと)
このニーチェの言葉のように、戦争は人類にとっては避けられないことなのかもしれません。しかし、だからといって、それを「しようがない」とあきらめて受け入れてしまうのか、それとも、そうではなくて、戦争に抗い(あらがい)、何とかして戦争が起きないようにと努力を続けるのか。そこには大きな開きと違いがあります。
そしてもうひとつ。「戦争をしない、平和な社会をつくり出すのは国家であって、個人ではない。自分個人は関係ない。自分一人で考えたり、行動しても意味がない」とする態度をとるのか、それとも、個人として平和について自ら積極的に考え、行動するのか。そこの間にも大きな開きと違いがあります。
平和を他人事でなく「自分事」として捉える姿勢がとても重要だと思います。
以上