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2024.07.01 校長ブログ

はぎの通信 No.82(自分に厳しく生きよ!)

 

はぎの通信 No. 82 (R6. 7.1)

 

中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)

 

自分に厳しく生きよ!(Carpe diem!

 

 言われればできるが、自分からは何もできないという人は、一生かかって多くのチャンスを逃がしてしまいます。もちろん、だれでも、はじめから言われる以上のことができることはありません。でも、自分のしたいことが定まるにつれて、徐々に自分から何かを求めてやろうとしていくものです。それは、本来、おもしろいから熱中するスマホのゲームのような気楽な求め方ではなく、のどの渇きを癒すために手当たり次第に水を飲むような、がつがつしたものであると思います。

 

 ある意味で言えば、私たちの生き方を豊かにするのは、この「自ら求める姿勢」であると言えるでしょう。求める姿勢がなければ、何ひとつ自分を変えることはできません。

 

 確かに、自分を変えることより、自分にレッテルを貼るほうが楽です。「私は、○○が苦手だ」とか「私は内気だから○○はできない」と自分を定義してしまえば、自分を変えるという厄介な問題を避けて通ることができるかもしれません。しかし、このようなレッテルばかり貼っていると、自分でもレッテル通りだといつの間にか信じるようになります。その時点で自分は完成品、つまり何もかも終わってしまった人間となり、その後の人生をそのときのままで送るものと決めてしまうことになるのです。自分に貼り付けたレッテルをはぎ取り、自分を変えようとする動機なくしては、真の意味での人間的成長はありえないのです。

 

 まだまだ時間があるから、と思ってのんきに構えていて、ぎりぎりになってやろうとはするが、結局はあきらめてしまってやらなかった、という経験が皆さんにもあるでしょう。最初は、きっとうしろめたい気持ちがしたはずです。でも、そんなことが積み重なってくると、次第に「しないこと」が当たり前になっていきます。

 

 今しなくてはならないことを目の前にしていて、眠い、疲れている、ということを先延ばしの口実にしたことはありませんか。一度その口実で手を抜くと、次にも似たような口実を探してしまうものです。「しないこと」を正当化する癖がついてしまうと、「しないこと」に何も罪悪感を覚えなくなってしまいます。

 

 このようなことがやがて人生に対する態度を形作っていくのです。大切な決定や、ぜひともしなくてはならないことを先送りするのは、自己破壊以外の何ものでもありません。

 

 「人間の一生で最も無益な感情がある。済んでしまったことに対する自責の念と、これから行うことへの不安である。」(W.W.ダイアー)後悔できるのも進歩のひとつであると思います。しかし、自己を変えることができるのは、自分しかないのです。そして、それは「今、この瞬間に」やらなければならないのです。この至極単純なことができるかできないか、それが今まさに皆さんに突きつけられているのです。

 

以上