はぎの通信 No.97(ほど良い緊張感を保つ)
はぎの通信 No. 97 (R6. 11.11)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
ほど良い緊張感を保つ (Maintain a good level of tension)
学校生活は、楽しいこともあれば、時にはストレスやプレッシャーを感じることもあると思います。でも、少しの緊張感があることで、学びや成長が加速することもあります。
逆に、まったく緊張感のない日々を過ごすことは、皆さんにとってよいことなのでしょうか。毎日を楽に過ごしたい、苦労や悩みのない日々を過ごしたい、あるいは、とにかく友達や仲間と愉快に楽しく過ごしたい ...こんなふうに思っている人も少なくないかもしれません。
しかし、皆さんも感じている通り、現実は、事実は、そう簡単で甘くはない。困難や悩み、嫌なこと、できれば避けて通りたいこと、これらのことはじっとしていても向うの方から容赦なくやってきます。
そんな時、皆さんはどうしますか。それらのことから、逃げようとしていませんか。その時だけ気分が上がるような、嫌なことを忘れられるような、そんな安易な方法をとってはいませんでしょうか。
自分を甘やかして、現実から逃避することに慣れてしまったら、一体どうなるのでしょうか。考えてみて欲しいと思います。
適度な緊張感、ほど良い緊張感を持って日々を過ごすことで、さまざまな現実をきちんと受けとめ、対処することができます。強く、そしてしなやかに物事にあたることができるようになります。大切なことは、そのような望ましい緊張感を持てるか持てないかは、常に人から与えられるものではないということです。たとえば、人から何か助言されたり、指導されたりして、良い緊張感を持つことができます。しかし、問題は、せっかくのその緊張感を自分自身で持続できるかどうかです。一旦人から与えられたあるべき緊張感も、すぐに忘れてしまうようでは何の意味もありません。その緊張感をきちんと保てるかどうかは自分次第なのです。
かけがえのない毎日。この日々への向き合い方を改めてしっかりと見つめ直してみましょう。
以上