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2025.02.10 校長ブログ

はぎの通信 No.109(「中身」を鍛えよ)

 

はぎの通信 No. 109 (R7. 2.10)

 

中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)

 

「中身」を鍛えよ  (Make use of the “intake.”)

 

 もうすぐ期末考査。来週です。勉強にも熱が入っていることでしょう。そう、「教科書」を使いながら...そこで改めて皆さんに問いたい。皆さんは「教科書」というものをどのようにとらえているでしょうか。

 

 大きく見れば、「教科書」と呼ばれるものはいつの時代でも児童・生徒・学生にとって、ある種極めて特別なものと言えるでしょう。様々に話題となり、時として批判や問題を引き起こすのもまた「教科書」です。

 

 一方、日常の学校生活においての皆さんにとっての教科書という観点で見てみましょう。たとえば、大学に合格した先輩達が口をそろえて言うこと、それは「日頃の授業を大切にせよ」ということです。皆さんにとっても、先生方にとっても、まさに「授業こそが命」。授業への集中こそがすべてです。そして、その授業の中心となって使われる教材、それが「教科書」です。皆さんと教科書とは切っても切れない密接な関係にあるのです。

 

 そのような文脈の中で、ひとつだけ皆さんに問いたいのです。「皆さんは教科書を『きちんと』読んでいるか」と。なぜ、このような問いかけをするかというと、皆さんの授業への取組を参観していて、どうも「透けて」見えるのです。教科書をあまりにも表層的にとらえているのではないか。つまり、教科書というものを、たとえば英語であれば、そこに書かれている単語や熟語、あるいは表現を暗記するための道具としてしかとらえていないのではないか。大学受験に役立つ文法事項を提供してくれるための存在としてしかとらえていないのではないか。皆さんに問いたい。そこから何が生まれるのか。

 

 確かに、教科書に盛り込まれている本文の内容がすべて皆さんの興味を引き、皆さんにとって「面白い」ものであるとは限らないでしょう。しかし、謙虚な心で各課の本文の内容を読み取ってごらんなさい。きっと新しい発見や感動があるはずです。その発見や感動は他人から見たら些細なことかもしれません。しかし、その発見や感動はあなたというひとりの人間を、さらに深い関連分野への研究に導き、あるいは、より深遠な「知」の世界へといざなうでしょう。そして、あなたはその「知」の世界を漂いながら、自己との対話を繰り返し、変化と成長を成し遂げていくのです。

 

 「中身」を鍛える。そのための手段として用いるのはもちろん「教科書」だけではありません。広く「読書」も必要でしょう。様々な「人」との交わりや議論を通しても養われるものでしょう。新聞、雑誌、テレビやインターネットなど種々のメディアを通してインプットされる情報もまた無視できません。いずれにせよ、ありとあらゆる手段を意識的、あるいは、無意識的に利用しながら、皆さんは今こそ我が身の「中身」を鍛えなければならないのです。

 

以上