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2025.04.14 校長ブログ

はぎの通信 No.117(令和7年度 中越学園中越高等学校入学式 校長式辞)

 

はぎの通信 No.117 (R7. 4.14)

中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)

 

令和7年度 中越学園中越高等学校入学式

校長 式辞(Entrance Ceremony Address

 

 先週(4月7日)、331名の新入生を迎えての入学式を無事終えました。お陰様で、今年度も定員を超える1クラス増という形で多くの新入生を迎えることができました。皆、少し緊張の面持ちながら、立派に式に臨んでくれました。新入生の皆さん、中越高校へようこそ!心から歓迎いたします!

 

 今日のブログでは、その入学式での私の式辞を文字にして紹介します。よろしければお読みください。

 

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式 辞

 

 思いがけない二月の大雪を経験した冬が過ぎ、今まさにここ長岡にも春の息吹が感じられる今日この頃、本日ここに、御来賓として、学校法人中越学園理事長の村山光博(むらやま・みつひろ)様を始めとする、各位の皆さまの御臨席を頂き、令和七年度、学校法人中越学園中越高等学校入学式を挙行できますことは、私達教職員にとりましても大きな喜びであり、ご参席いただきました御来賓の皆様並びに保護者の皆様に対しまして心から御礼を申し上げます。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学を心より歓迎いたします。

 さて、本校は、今年創立百二十周年を迎える歴史と伝統ある学校です。卒業生も三万人をゆうに超え、諸先輩方は各界においてその中枢及びリーダーとして活躍しておられます。本校の創立は明治三十八年(1905年)、当時小学校の校長であった齋藤由松(さいとう・よしまつ)先生が、生徒の女子師範学校への入学の困難さを見て、「自己の信ずる教育をするためには、自分の学校を持たねばならぬ」と、三十六歳にして校長を退職し、自ら「齋藤女学館」を設立しました。当初は、女子師範学校および高等女学校への入学希望者、さらに小学校教員検定受験者の予備教育を行う学校でした。本校の建学の精神は、この未来の子供たちを教育する地域のリーダーたる女性の先生の育成でありました。今現在では、私たちはこの建学の精神に基づいてさらにそれを広げ、高い志と夢を持って地域や日本、あるいは世界で活躍する人材やリーダーの育成を本校の教育の根本方針としております。

 現在の中越高等学校は、さらに次の三つのことを学校の教育理念として掲げています。一つ目は校訓です。その学校の教育の「背骨」となるものです。その本校の校訓は「質実剛健」。かざりけがなく、まじめで、強く、しっかりしていることです。二つ目は本校の校風、その学校の特徴を表すスクールカラーです。それは、「進取の精神」。過去にこだわらず、自ら意欲的に新しいことにチャレンジすることです。校風にはもう一つあって、それは「文武一如」(ぶんぶいちにょ)。文も武も根源においては一つである、具体的には学業と部活動、どちらも等しく大切にするということです。そして、最後の三つ目は本校の教育精神です。それは、まさに今このステージの私の頭上に掲げられている言葉「明るく 進取の精神、『若き今日 眉上げん』」であり、本校の恒久的なスクール・スローガンでもあります。この「眉上げん」は、本校の校歌の第一番の歌詞の一節(いっせつ)で、「顔を上げ、大空を見上げて、大きな希望を持って前に進もう」という意味です。

 今日は入学式。この中越高等学校の生徒として第一歩を踏み出す日です。その最初のスタートにあたり、本校の生徒として成長していく上で、ぜひ胸に刻んでおいていただきたいこととしてお話しいたしました。

 さて、入学生の皆さんへの私からの歓迎の気持ちを込めながら、応援エールとして、この本校のスクール・スローガンである「若き今日 眉上げん」の精神を具体的に形にするための心構えについて二点お話いたします。

 一点目は、つらい時こそ「顔を上げ、大空を見上げて、大きな希望を持って前に進もう」ということです。

江戸時代の末期、混乱する幕末に大きな影響を与えた吉田松陰という人が現れました。彼は、「順境なる者は怠りやすく、逆境なる者は励みやすし、怠ればすなわち失い、励めばすなわち得るは、これ人の常なり」と言っています。どういうことかというと、人間は、順調で恵まれているときは、ともすれば努力を怠り、恵まれていないときは逆境に打ち勝つために努力をする。努力しなければ失うものも大きく、励んで努力をすれば得るものも大きい。人間は、苦しいとき、逆境の時こそチャンスが巡り、努力する時であるということを松陰は私たちに伝えているのです。どうか皆さん、これからどんなことがあっても自分を信じ、前を向いて行動し、中越高校生として、越高プライドを持って自分の道を切り開いていって欲しいと思います。

 二点目は、どんな時もあきらめることなく可能性に挑戦することが、「若き今日 眉上げん」ということであるということです。

中国の孔子という思想家の行いや言葉を集めた論語のなかに、「今、汝かぎれり」という言葉があります。ある時、孔子の弟子が言います。私は力が足りないので、先生にはついていけません。そして、孔子が言います。力が足りないものは進めるだけ進んで途中でやめることになるが、今、おまえは自分で自分に見切りをつけている。つまりは人間は思うようにいかないこともあるし、挫折してしまうこともある。そういう時の多くは、力が足りないのではなく、自分で自分をもうだめだと見限っているからなのだ。裏返せば、あきらめなければ人生は切り開かれるのだ、ということを孔子は言っているのです。今、皆さんはさまざまな思いを持って、この入学式に臨んでいることと思います。緊張と不安と期待...いろんな思いが混じり合っていることでしょう。でも、どうか皆さん、忘れないで欲しいのです。あなたたちの高校生活はまだ始まったばかり、いや、まだ始まってさえいないのです。希望を持って、前に進みましょう。今のワクワク感を大事にしていただきたい。そして、「若き今日 眉上げん」。顔を上げて、大空を見上げましょう。決してあきらめず、前に進みましょう。道はきっとひらけるはずです。

 結びに、保護者・ご家族の皆様に申し上げます。本日はお子様のご入学誠におめでとうございます。高等学校は人生の方向を決定する大事な時期であり、悩み苦しみも大きい時期でもあります。私達教職員は、お子様が自らの生きる道を自らが切り開いていけるよう全力を尽くして参りますが、生徒の成長は学校教育のみで図れるものではありません。まず、ご家庭での基本的生活習慣が確立され、そして、家庭・学校との相互の理解・信頼があってこそ達成されるものであります。連携を密にして取り組んでいくことが重要と思います。どうぞ、学校の方針をご理解いただき、格別のご支援とご協力を賜りたいと存じます。新入生の皆さんが、本校での生活で自らを磨き、輝き、大きく成長することを心から祈念して、式辞といたします。

 

                      令和七年四月七日

                            学校法人中越学園

中越高等学校長

               萩 野 俊 哉

 

以上